クラミジアは不妊の原因になる?クラミジアと不妊のあれこれ

クラミジアは男女ともに性感染の中でも経験したことがある人が多いものです。また感染者の年齢層も広くなっているので悩む人も多い病気です。
クラミジアは女性の身体にどのような影響を与え不妊の原因をひき起こすのかをご紹介します。

クラミジアに感染すると不妊になる?

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クラミジアはバクテリアの一種で、おもに性交で性器や口腔内へ感染します。
性感染症の場合、男性だと尿道炎、女性は子宮頚管や骨盤腔内の粘膜に寄生するなど、いろんな器官で炎症を起こします。

怖いのは感染しているにも関わらず、7~8割の女性に自覚症状がないということです。そのため受診することなく放置することで、知らない間に子宮頚管から子宮内、そして卵巣や卵管と炎症が広がるため重症化します。
卵管まで炎症が広がると、他の組織や臓器と癒着し卵管が狭くなったりふさがったりするため、卵子が通りにくく精子を受け入れることが困難になり不妊症となってしまうのです。

たとえ妊娠したとしても、卵管に炎症のある状態だと受精卵を子宮内に受け入れることが困難で、最悪の場合卵管に着床してしまい流産や子宮外妊娠をする場合があります。
また出産までたどりつけても、胎児がクラミジア感染した産道を通るときに結膜炎や肺炎など引き起こす場合があります。
このように、女性への感染は男性への感染に比べて妊娠や出産の際に深刻な問題を残します。

クラミジアかなと思ったら検査しよう

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日本でのクラミジアの感染者は10年ほど前から急増しており、特に10代後半から20代の若い世代の感染者が多数です。
診療科について女性は妊娠の可能性や不妊検査などの関係上、婦人科を受診したほうがよいでしょう。泌尿器科や性病科は男性も女性も受診できます。

クラミジアは感染しても特に女性は男性に比べて症状が出にくいので、パートナーや夫に男性特有の症状である排尿痛や尿道炎などの症状が出た場合は自身も感染を疑って恥ずかしがらずに早急に受診しましょう。

ちなみに女性がクラミジアに感染した場合は、

・粘液のようなおりものが多くなる
・なんとなく尿の出が悪く膀胱炎のような症状がある
・不正出血がある
・下腹部に痛みがある
・性交時に痛みがある

などの症状が出た場合に感染を疑います。

クラミジアの感染の有無を調べる「抗原検査」は、膣や子宮頚管の分泌物を採取して検査します。結果も当日から1週間以内でわかります。

ただし、この検査は初期の子宮頚管への感染がある時期で、感染がさらに奥に広まった場合は判別が難しいことがあります。
現在クラミジアの症状がなくても過去に知らないうちに感染し不妊症になっているのではないかと考えられる場合は「抗体検査」で血液を採取した検査を行います。
また、男性の方も何らかの病変が起こっていると思われるので、同じように検査を受けた方がよいでしょう。男性の場合は検査結果が判明するまで多少時間を要しますので、その期間は性交渉を控えます。

クラミジアを予防!

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クラミジアは性感染症の一つなので、基本的には感染者の粘膜・粘液に接触をしないことが大切です。
事前に性病検査を相手と共に行いそれぞれに異常がない状態なのかを確かめておくことが重要です。
また性交渉の相手の数が多いほど感染経路が混乱するので感染する確率も高まる恐れがあります。不特定多数の相手と性交渉を持つと感染元を特定するのが難しくなるのでできれば避けましょう。

クラミジアに感染した人は感染部分の抵抗力が低下しHIV(エイズウイルス)にも感染しやすくなると言われています。

クラミジアの治療方法

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感染の確定後は抗生物質(抗菌薬)が投与されます。だいたい1週間程度の服用で様子をみて数週間後くらいに再度検査をして治癒が認められれば完治とします。

感染している場合は相手の男性にも検査と治療を受けてもらわなければなりません。そうでないと性交渉によって再度感染し繰り返してしまうからです。
検査して陽性でも感染初期の治療であれば完治できますので、後悔しないようにパートナーと一緒にしっかり治療に臨みましょう。

妊娠中にクラミジアと判明したら…

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現在では妊娠初期にクラミジアの検査を行い感染の有無を確認します。クラミジアに感染したまま妊娠すると、母体や胎児に悪影響を与え得るからです。
クラミジアはバクテリアの一種なので徐々に移動して悪さをします。例えば赤ちゃんと羊水を包んでいる羊膜に移動し感染すると前期破水をひき起こします。

出産までに感染の治療が間に合わなかったら、上記で述べたように出産時に産道で赤ちゃんが感染し結膜炎や肺炎を起こす危険があるので、事前にわかっている場合は帝王切開での出産となります。
しかし妊娠中クラミジアの検査で陽性でも妊婦さんにも安全な抗生物質が処方されますので、決められた分量をきちんと服用し完治させ出産に向けて体調を整えることが大切です。

感染しても自覚症状がなく気がついたときはもう不妊症になっていたという不本意な結果にならないように心がけたいところですよね。もし感染しても早期発見と早期治療に結びつくように、正しい性交渉と感染症や性病に対する知識をふだんから持つようにしておきましょう。