中絶とは

人工妊娠中絶について

人工妊娠中絶について

望まない妊娠をした場合、人工妊娠中絶手術というのも一つの選択肢です。
お腹に宿った命は、あっという間に成長しますので、出産を希望しない場合は早めに産婦人科へ相談するのが得策です。

福岡市中央区の「荘田レディースクリニック」監修、「福岡産婦人科情報館」では、中絶や避妊についての正しい情報を提供します。現代の中絶手術は安全性が非常に高くはなっていますが、母体へのダメージは小さくありません。中絶を選ぶような事態にならないためにも、正しい避妊技術・知識を持っておきましょう。

中絶とは

中絶とは

中絶は、妊娠状態から人工的に流産させる方法です。
中絶手術は、妊娠3ヶ月内(12週未満)に行わなければ、母体への負担が非常に大きくなります。また、母体保護法により、妊娠22週を過ぎると中絶手術は受けられなくなります。妊娠したかもと思ったら、早めに市販の妊娠検査薬で調べ、陰性の場合も不安が残るようなら産婦人科に相談しましょう。

中絶手術について

中絶手術には、現在次の4つの方法があります。

手術の種類 掻爬(そうは)・掻き出し 吸引法・吸い出し
概要 子宮口を開け、胎盤鉗子で胎児と付属物を掻き出します。最後に子宮内膜を掻き出します。全身麻酔もしくは局部麻酔を行います 吸引キュレットと呼ばれる掃除機のような専用器具を子宮に入れ、胎児と付属物、子宮内膜を吸い出します。
手術時期 妊娠初期 12週0日未満(3ヶ月未満)
費用 7~12万円
入院 基本的に不要
死産届 不要
手術の種類 ラミナリア プロスタグランディン
概要 子宮入り口に、ラミナリアという海草の茎を挿し込みます。水分を含むと膨らむラミナラリアの性質を利用し、流産手術を行います。 プロスタグランディンという腔座薬を膣に何度か入れます。時間をかけて陣痛と子宮の収縮を引き起こし、人工的に流産に導きます。妊娠中期以降の中絶手術以外では使用できない方法です。
手術時期 妊娠中期(4ヶ月以内)
12週0日~20週0日未満
妊娠中期
20週0日~22週未満
費用 12~20万円+入院費 20~22万円+入院費
入院 2~4日 2~4日
死産届 不要
中絶費用について

中絶手術には、基本的に保険が適用されません。そのため、高額な費用が必要となります。
一般的に上記のような手術費用と、診察台、薬代なども加算されるため、まとまった金額を用意することになります。
中期中絶費用の場合は、死亡届作成費や胎児の火葬料金も必要となりますので、金額については処置を受ける医療機関に相談してみましょう。

中絶手術の流れ

STEP.1 事前確認
すべての産婦人科が中絶手術に対応していないので、相談しようとしている産婦人科が中絶手術に対応しているかをあらかじめ確認しておきましょう。中絶手術後は休養が必要となりますので、医師に相談して日程を決めてください。
STEP.2 手術前日
出産経験がない場合は、子宮口が開きにくいため、手術が難しくなります。現在では、ほとんどの病院で、前日にラミナリアを子宮口に挿入し、一晩かけて子宮口を開きます。下腹部に痛みが生じますが、深呼吸やマッサージなどでゆっくり休んでおいてください。くれぐれも飲酒はしないようにしましょう。
STEP.3 手術当日
当日の朝の食事には制限があります。医師の指示に従ってください。
手術中、麻酔が効いている時に嘔吐し、窒息する恐れがあるからです。ノーメーク、ノーマニキュア。
服装は前開きで脱ぎやすいものに着替えてもらいます、スカートが良いでしょう。
【持ち物】
同意書、治療費、生理用ショーツとナプキン、前開きの寝巻き、洗面具、下着、ハンカチ、タオル など
STEP.4 手術
下着を脱いで、手術台に上がり、足を固定します。軽く全身麻酔を施しますので、意識はなくなります。
人工妊娠中絶手術の内容は、妊娠期間によって異なります。
STEP.5 手術後
処置が終わったら、ベッドに寝かされている状態で目が覚めることでしょう。
検診をして問題がなければ帰宅が許可されます。
STEP.6 帰宅
帰宅時には、身体が万全でないためタクシーを使うようにしましょう。できれば付添人も必要です。
中絶手術後は、身体がダメージを受けているため、細菌感染症にかかりやすくなっています。
しっかり休養をとるようにしてください。無事に家に戻ったら、次の医師の指示を守って安静にしてください。
  • 膣内のガーゼは細菌感染の原因になるため、必ず外してください
  • 腹痛がある場合は、カイロやタオルでお腹をあたためると楽になります
  • 手術後の子宮内にはキズがあるため、細菌感染しやすい状態になっています。生理用ナプキンをこまめに交換してください。トイレ・シャワートイレ、お風呂、シャワーについては、医師の指示に従ってください。
【中絶手術の注意点】

中絶手術の注意点

  • 中絶手術は、母体保護法によって妊娠22週未満でしか受けられません。
  • 妊娠12週以降の中絶手術では、死産届が必要になります。
  • 術後は貧血になりやすくなっていますので、鉄分など栄養をしっかり摂るようにしてください。
  • 術後の飲酒・喫煙は絶対に避けてください。
  • 検診日を守って受診しましょう。
  • 必ず基礎体温を計ってください。
  • どんなに体調が良くても、月経が再来するまでは性行為は避けてください。
避妊方法を見直しましょう

次の症状がある場合は、細菌感染症を起こしている可能性がありますので、一刻も早く産婦人科を受診してください。

  • 出血が長引く
  • 嫌な臭いがする
  • おりものが変
  • お腹が痛む
  • 発熱

避妊の種類

コンドーム 女性用コンドーム
避妊方法 勃起したペニスに装着し、射精された精子が膣に入るのを防ぐ方法 膣の内側に袋を装着し、射精された精子の侵入を防ぐ方法
入手法 薬局・コンビニ・スーパー・自販機など 薬局・通販など
値段 1箱(12個入り)1,000~1,500円 6個入り1,200円ほど
失敗の可能性 正しく使用できれば失敗は少ないが、間違った使用方法で失敗するケースが多い。
メリット
  • 簡単に手に入る
  • 使用方法が簡単
  • 性感染症予防に効果的
  • 避妊に際し、女性が主導権を握れる
  • 男性用コンドームより丈夫である
  • 液漏れが少ない
  • STDの予防効果が高い
デメリット
  • 男性の協力が必要
  • 破けることがある
  • つけるタイミングのミスで避妊に失敗することがある
  • 使い慣れるまで時間がかかる
副作用 ほとんどない
まれに女性の膣付近にかぶれが起こることがある
避妊ペッサリー 殺精子剤
避妊方法 ゴム製のおわん型のフタを、子宮口に装着し、精子が子宮口に入るのを防ぐ 精子を殺す薬を子宮口近くに入れる方法
入手法 受胎調節実地指導員の指導を受ける 薬局
値段 本体3,000~8,000円
指導料5,000~8,000円
フィルムタイプ(10枚入り)2,000円ほど
ゼリータイプ(1本約20回分)1,300円ほど
錠剤タイプ(20個入り)600円
失敗の可能性 正しく使用すれば失敗は少ない。 正しく使えず失敗する人が多い。
単独での使用は危険。
メリット
  • 避妊に際し、女性が主導権を握れる
  • SEXのずっと前から装着しておける
  • 洗って繰り返し利用できる(約1年)
  • 簡単に入手できる
  • 自主的に避妊できる
デメリット
  • 正しい使い方に慣れるまで時間がかかる
  • 入れる場所やタイミングが難しい
  • ゼリー以外は入れてから効果が出るまで時間がかかる
  • 約1時間以内の射精にしか効果がない
副作用 ほとんどないが、出し忘れに注意 敏感肌の人には性器のかゆみや、おりもなどの異常が出ることがある
ピル(経口避妊薬) 基礎体温法
避妊方法 女性ホルモンの入った薬を服用することで、排卵を止める方法 婦人体温計で毎日の基礎体温を記録し、排卵日(危険日)を推定。その日は性交渉を避けるか、他の避妊法を行う
入手法 産婦人科で検査と説明後に処方 薬局
値段 検査費用+薬代(月)3,000円ほど 婦人体温計1本1,000~3,000円
失敗の可能性 ほとんど失敗がない 体温の計り忘れ、計り間違い、勘違いで失敗することがある
メリット
  • 女性が避妊の主導権を握れる
  • 生理不順や生理痛などが和らぐ
  • 排卵日(危険日)が把握できる
  • 避妊以外に健康管理に役立つ
  • 月経周期がわかる
デメリット
  • 毎日服用しないといけない
  • 保険が適用されない
  • 服用できない場合もある(喫煙・持病・体質)
  • STD対策法ではない
  • 毎日計り続ける必要がある
  • 単独での避妊には不安が残る
副作用 飲み始め当初、多少の吐き気や頭痛を伴うことがある なし
IUDリング、子宮内避妊器具
避妊方法 子宮内に装着し、受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぐ
入手法 産婦人科の医師に装着してもらう
値段 処置料30,000円ほど(医院によって異なる)
失敗の可能性 ほとんど失敗がない
メリット
  • 一度装着すると、約2年間は手間がかからない
デメリット
  • 出産未経験者には使いにくい
  • 気づかないうちに外れていることがたまにある
  • STD対策法ではない
副作用 生理の量が多くなる、不正出血や腹痛がある
  • 女性の身体
妊娠について

妊娠初期症状

  • 妊娠に向けての身体づくり
  • 福岡の子育て支援情報
  • 性病とは
  • 中絶について
  • ピル・避妊についてはこちら

荘田レディースクリニック 〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神 1丁目15-6 綾杉ビル3F

監修クリニックについて