リンパ腺が腫れた時はどんな性病が考えられる?

リンパ腺が何だか腫れている……。
その症状、もしかしたら性病からくるものかもしれません。
リンパ腺の腫れをともなう性病の種類、原因と症状、治し方をご紹介します。

リンパ節の腫れをともなう性病の種類と原因、その症状とは?

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性器ヘルペス

ヘルペスウィルスの感染によって起きる病気です。 のどや口唇、性器などに症状が出ます。主な症状は、太もものリンパ節の腫れと同時に水ぶくれや潰瘍ができます。またその水ぶくれがつぶれることにより、肌がただれ激しい痛みがあります。また排尿の際に強い痛みを感じ、排尿が困難になることがあります。発熱をともなう場合もあります。
症状の出る場所は、膣の入り口、外陰部、肛門付近などです。また子宮頸管や膀胱まで感染が広がる可能性もあります
感染の原因は主に性行為です。性行為によってヘルペスの病変部位と接触することにより感染します。症状が出てない時でも、皮膚の粘膜ウイルスが潜伏しているので、そこから感染する可能性があります。上半身に症状が出るものを1型の口唇ヘルペス、下半身に症状が出るものを2型の性器ヘルペスと言います。

HIV 感染症

HIVは、ヒト免疫不全ウイルスのことで通称「エイズウイルス」とも言います。
HIV の感染源は3つです。性行為、血液、母子感染です。特に性行為での感染が多くなっています
感染してから2週間~4週間で、発熱、のどの痛み、全身倦怠感、リンパ節の腫れ、筋肉痛といったインフルエンザのような症状が表れます。その症状は数週間でおさまり、その後症状のない期間が数年続きます。この間に免疫力は少しずつ低下していきます。
そして数年から約10年後に、様々な病気を発症します。その病気がエイズ指標疾患に当てはまると、エイズを発症したということになります。この期間は個人差がありますHIV に感染してから2年~10年ほどかかると言われます。

梅毒

梅毒トレポネーマという病原菌に感染することで症状が出ます。主に性行為によって皮膚や粘膜の小さな傷口から菌が侵入することで感染します。妊婦が感染していると、母子感染することもあります。梅毒は昔の病気というイメージを持っている人が多いですが、近年では再び増加傾向にあります。病変部位が口にあるとキスでも感染をすることがあります。
症状は第1期から4期に分かれます。リンパ節の腫れは第1期に表えられます。太ももの付け根の部分が腫れてきますが、痛みがないのが特徴です。放置していると2~3週間で 症状がなくなってきます。他に性器・肛門など感染した部位に小さなしこりができます。大きさは、小豆から人差し指の先ぐらいまでです。またしこりの中心部が硬く盛り上がりますが、痛みはありません。第2期になると病原菌が血液を通して全身に広がります。そしてピンク色のあざが顔や手足にでき、さらに赤茶色のブツブツも出てきます。また脱毛症状が現れてきます。
第3期になると皮下組織に大きなしこりができてきます。 第4期になると末期症状になり、心臓、血管、神経などに重い障害が出ます。しかし医療の発達した現代では第3期以降になることはほとんどありません。

リンパ節の腫れをともなう性病の治療方法

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性器ヘルペスの治療方法

性器ヘルペスは感染してから約2日~10日で症状が出てきます。約2~3週間で自然治癒することもありますが、痛みが強いので早めに医療機関を受診しましょう。女性の場合は婦人科、皮膚科、性病科で診察を受けます。口唇のみに症状が出ている場合、耳鼻咽喉科でも治療ができます
治療は約5日~10日間、ヘルペスウィルスの増殖を抑制する薬を飲みます。症状が軽い場合は軟膏を塗布します。重症の場合は入院して点滴治療を行うこともあります。病変部位の症状が治ったあと、ヘルペスウィルスが陰性かどうかの検査を受けます。ヘルペスウィルスが神経節に入った場合、再発することがあります。何度も繰り返すようでしたらウイルスの増殖を抑える治療をします。

HIV感染症の治療方法

HIVを完全に排除することは現在の医療ではできません。
しかし治療方法はとても進歩しており、早期に治療を開始すれば、エイズの発症を抑え健康に生活することができます。まず専門のエイズ治療拠点病院などで治療を受けます。
治療はエイズウイルスの増殖を抑える抗HIV 治療薬を服用します。この薬を1日1~2回決められた時間に服用します。

梅毒の治療方法

感染してから約3週間で症状が出ます。婦人科、性病科、皮膚科などで治療を受けます。治療は経口合成ペニシリン剤を服用します。第1期で2週間~4週間、第2期で4週間~8週間。第3期で8週間~12週間以上服用します。
そして定期的な検査で完治したかの確認をして治療は終了します。梅毒に感染するHIV にも感染しやすくなるため、HIV 検査も合わせて受けましょう。またパートナーも感染している可能性があるので一緒に検査を受けることが推奨されています。

リンパ節の腫れをともなう性病まとめ

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リンパ節の腫れを伴う病気は、性器ヘルペス以外は風邪のような症状なので気がつきにくいこともあります。
しかし他の症状がある、長く続くなどの症状がある場合は早めに病院を受診しましょう。
また気がつかない内パートナーにうつしてしまっている可能性もあります。必ず一緒に治療を受けるようにしましょう。