【女性の性病】女性がクラミジアにかかった時の症状ってどんなの?

日本で特に10代~20代の感染者が増えていると言われるクラジミア感染症。
性病の一種ですが、どんな病気なのでしょうか?
クラジミア感染症の原因と症状、治療方法などをご紹介します。

クラジミア感染症との症状とは?

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クラジミアはクラジミアトラコマティスという病原体に感染することで症状が出ます。
まず子宮頚管に炎症が出ます。主な症状として水っぽく黄色いおりものの増加や、不正出血、下腹部や性交時の痛みを感じます。さらに排尿時に痛みがある場合はクラジミア感染症が疑われます。しかし女性の約80%~90%が症状がなく、感染に気づかないまま放置してしまうと卵管や卵巣骨盤内まで感染が広がってしまうことがあります。その場合、卵管炎、卵管周囲炎、卵管閉塞など様々な病気を引き起こします。さらに上腹部まで至ると肝周囲炎になる可能性があります。
またクラジミアは性器だけでなくのどにも感染します。その場合のどの腫れや痛み、発熱などの症状が出ます。性器クラミジアに感染している女性のうち約10%~20%の方が、のどのクラジミアにも感染している可能性があるとされます。放置していると、咽頭炎や慢性の扁桃腺炎になってしまいます。しかしのどのクラジミアも症状が出ない場合が多く 、また症状が出ても風邪に似た症状なので気づかないまま感染を広げてしまうことがあります。

クラジミアはどうやって感染するの?

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性器クラジミアは性行為により感染します。クラジミアは感染率が高く、一回の性行為で約50%の確率で感染すると言われます。またオーラルセックスでのどにも感染します。
またクラジミアは症状が出ないことも多く、気づかないままに妊娠してしまうと母親から子供へ母子感染する可能性もあります。母子感染を防ぐには妊婦検診を受け出産時の感染を防ぐことが重要です。またクラジミアに感染しているとHIV感染率が約3倍から5倍ほど増えると言われています。

クラジミア感染症の治療方法は?

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クラジミアは感染してから約1週間から3週間で発症します。
女性の場合はまず、子宮頸管の分泌物や膣の粘膜部分を採取し検査を行います。のどを綿棒でこすり粘膜を採取するか、うがいをしてその水を検体として使用します。クラジミアの治療は抗生物質を服用します。マクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系などの抗生剤を使用します。服用期間は1日~1週間ほどです。重症化して骨盤腹膜炎や肝周囲炎などを発症している場合は、入院して3日~5日ほど点滴治療を受けます。症状が重い場合は、治るまでに数ヶ月かかることもあります。症状が治まると服用をやめてしまう方がいますが、処方された薬を飲みきらないと完全に病原体が体内から排出されないので注意しましょう。そして治療開始してから2週間~3週間後、クラジミアが陰性になったか再検査を行います。しっかりと確認しなければ体内に残ったクラジミアが再び増殖し再発する危険性があります。
クラジミアはパートナーも一緒に治療しないと感染を繰り返してしまう可能性があるので、必ず同時に治療を受けましょう。またクラジミアは症状がない場合も多く気づきにくい病気ですが不妊や子宮外妊娠の原因ともなるので特に妊娠を希望する女性は妊娠前に検査を受けるようにしましょう。

クラジミア咽頭炎の治療方法は?

クラジミア咽頭炎の場合も同じく抗生物質を使って治療します。治療期間は1日~14日間です。のどの場合、性器クラジミアよりも時間がかかると言われます。服用が終了し3週間後に再検査を受け、クラジミアが陰性になったかを確認します。

クラジミア感染症を放置するとどうなるの?

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症状が出ない事が多く、気づかないまま感染が広がっていくクラジミア感染症。
まず子宮頸管から子宮内、卵管、骨盤内へと進行していきます。
最初は子宮頸管に感染し子宮頸管炎を発症します。この時点では強い腹痛などのわかりやすい症状は表れないので、気付かない方も多いです。そうして卵管や卵巣まで感染が広がってしまうと、卵管炎、卵管周囲炎を引き起こします。さらに骨盤内で感染が広がる、と骨盤腹膜炎を発症し、下腹部が激しく痛み高熱が出ます。その場合はすぐに入院して治療が必要となります。また肝周囲炎を発症した場合は、上腹部が激しく痛みます。

妊娠や赤ちゃんへの影響は?

クラジミア感染症が進行し、卵管閉塞や卵管周囲癒着を引き起こした場合は、不妊症の原因となります。またクラジミア感染症に気づかないままに妊娠すると、早産や流産のリスクがあります。
妊婦の方の約3%~5%の方がクラジミアに感染していると言われており、クラジミアに気付かず出産すると産道感染を起こす確率が高いです。生まれてきた赤ちゃんの内約30%が感染し、その中で約15%~25%の赤ちゃんがクラジミア肺炎を発症すると言われます。
死亡する危険はそれほど高くありませんが早期に治療する必要があります。
妊娠を希望する場合は症状がなくても検査を受けるようにしましょう。

クラジミア感染症は自然治癒するの?

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クラジミアが自然に治ることはありません。クラジミアには気づかず他の病気の際にもらった薬で症状が治まることはありますが、専用の治療薬を使用しているわけではないので完全にはクラジミアの菌はなくなりません。クラジミアの細菌が少しでも体内に残っていた場合は再び 増加し、再発する危険性がありますので必ず治療を行いましょう。

クラジミア感染症まとめ

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日本で一番感染者数の多い性病と言われるクラジミア感染症。
症状が出ないことも多いため、気づかない内に進行してしまう事があります。
特に妊娠を希望する女性は、定期的に婦人科で検診を受けるようにしましょう。早期発見・早期治療すれば、ほとんどの方が抗生物質を服用するだけで治る病気です。
治療を行う際は、必ずパートナーも一緒に行うことが重要です。