「中絶ピル」での中絶手術ってどう?日本では行えるの?

予期せぬ妊娠が発覚したときに、中絶を考える女性もいることでしょう。しかし、中絶手術は費用も高く、痛みなどの心配もあります。そのため、中絶ピルを使用したいと思う人もいるかもしれません。では、中絶ピルは日本では使用できるのでしょうか。また、副作用等のリスクはあるのでしょうか。

通称「中絶ピル」ってどんなもの?

1a2a4f7aa1c5452c40c9a5c8624c03b8_s
中絶ピルという言葉を、聞いたことがある人は多いと思います。これは、妊娠後49日以内に服用することで人工的に流産させる薬のことをいいます。

中絶ピルの中で最も有名なのは、ミフェプリストンという薬です。これはフランスで開発された薬で、92~95%の確率で中絶することができるといわれています。この中絶ピルは、フランスをはじめとして世界約60カ国で使用されています。

中絶ピルでなぜ中絶できるの?

987eca87017b5f2fa265f89558d4724a_s
ミフェプリストンを服用すると、プロゲエステロンと呼ばれる黄体ホルモンの分泌が低下します。プロゲステロンは、妊娠を維持できる体内環境を整えるために必要不可欠なもの。これの分泌が抑えられると子宮内膜が維持できなくなり、流産のような状態になります。

ミフェプリストンで中絶する場合には、子宮の収縮を促す薬も同時に服用します。これにより、100%に近い確率で中絶することができます。

日本では認可されていて、利用できるの?

c2986dc390e2c70aedfc1c1f7f7f6b0e_s
世界中で広く使用されている中絶ピルですが、日本では認可されていません。医師が処方することもなければ、販売したり場としたりすることも禁じられています。

海外ではよく使用されているので、インターネットを通じて個人輸入して服用する人もいるようです。しかし、医師の診断なしに中絶することは日本では違法で、「堕胎罪」という刑事罪にあたります。

過去には、ひどい副作用が出た女性が病院に駆け込み、中絶ピルを使用したことが発覚したケースもあるようです。違法行為をしたことが判明してしまえば、医師の判断によっては通報されます。
使用が認可されている国でも、中絶ピルは慎重な管理下で服用することになっています。また中絶ピルは誰でも使えるわけではなく、体の状態等によっては服用できません。そのような薬を自己判断で使用するのがどれだけ危険な行為かは、把握しておく必要があるでしょう。

また、インターネットで購入したとき偽物をつかまされるリスクもあります。その場合、たとえ正しく服用したとしても健康被害を被る危険が高いといえるでしょう。

副作用ってあるの?

5c0392957aadda120226c74b437e1a34_s
人工的に流産をさせる中絶ピルは、とても強い薬です。そのため、副作用も非常に強いといえます。注意したい副作用は、痙攣と貧血。特に、出血は最低でも1週間は続きます。8%の女性で30日以上の出血が認められるというデータもあり、ひどい場合には輸血等が必要になります。また、下痢や吐き気、嘔吐、だるさ、めまい、腰や背中の痛みなど、他にも様々な症状が現れます。

多くの副作用が認められることから、中絶ピルは使用できる人も限られています。 IUD(避妊具)を利用している人や慢性副腎機能不全の人、長期間ステロイドを服用している人、プロスタグランジン製剤にアレルギーをもつ人、出血しやすい人、子宮外妊娠をしている人などは服用できません。

日本で中絶ピルの使用が認められていないのは、倫理的な理由はもちろんのこと、副作用の強さも関係しています。どんなに切羽詰まった状態でも、個人で中絶ピルを輸入して不正に利用することは絶対にやめましょう。

日本の一般的な中絶方法

5c0392957aadda120226c74b437e1a34_s
日本では中絶ピルは使用不可のため、手術によって中絶することになります。5週目から12週目までの中絶は初期中絶と呼ばれており、全体の95%は初期中絶になります。それ以降の中絶は中期中絶となり、母体の負担やリスクが上がることはもとより、金銭的、精神的ダメージが大きくなります。

初期中絶

初期中絶の場合は、約10分程度で手術を終えることができるため、母体に負担がかかりません。また、手術の前処置の時や手術後に痛みを感じることがありますが、心配するほどではありません。

初期中絶の方法としては、大きく分けて掻破法と吸引法の二種類があります。掻破法は、細長いスプーンのような器具やハサミ状の器具を使って、子宮内の胎児や胎盤を掻き出す方法です。使用する器具がシンプルで消毒しやすいため、感染の恐れが低いといわれています。

それに対し、細いチューブを挿入して子宮内のものを吸い出すのが吸引法です。こちらの方法は、施術がより早く終わるのが特徴です。しかし、陰圧によって出血量を増やす恐れがあります。また、週数が進行している場合には吸引法は適応できません。

日本の中絶方法は、掻破法か吸引法のどちらかの方法が最も一般的です。クリニックによっては、両方を併用する場合もあります。

中期中絶

中期中絶をする女性の割合は、あまり多くはありません。週数が進行していて胎児も大きくなっており、母体のリスクが大きくなるためです。また、手術の費用も通常の出産と同じくらいかかります。

胎児がある程度まで成長しているため、初期中絶のような方法をとることはできません。人工的に陣痛を誘発させて胎児を体外に出すという、普通の分娩に近い方法で行われます。週数によっては、母親の体外に出た時に赤ちゃんが産声をあげることもあります。

中期中絶を経験すると、初期中絶以上に心にダメージを負います。難しい選択ではありますが、止むを得ず中絶をする場合には速やかにその決断をし、早め早めの行動を心がけましょう。