中絶手術の麻酔ってどれくらい効いている?

手術にはつきものの麻酔。どのくらい効いているものなのでしょうか。手術の流れも含めて、帰れるまでの時間を見ていきましょう。

中絶手術の麻酔ってどれくらい効いている?

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では中絶手術の方法別に、麻酔の効いている時間を見ていきます。

中絶手術時の麻酔は?(妊娠初期)

妊娠初期(約12週目まで)の中絶手術は、2種類の手術方法があります。
細い器具を子宮に挿入し、胎児を掻き出す掻爬法と、子宮内に吸引する機械を挿入する吸引法です。双方とも全身麻酔で行います。

手術の流れはこうです。
・手術の前準備
手術が行いやすくなるよう子宮口を広げます。一般的にラミセルという細い棒状の器具を挿入します。
21時以降は飲食しないようにしましょう。

・手術当日
血圧・脈拍を測定します。
その後着替えて移動した後、点滴で静脈麻酔を行います。
静脈麻酔を行うと、すぐに眠ってしまう為、起きたら手術は終わっています。
中絶手術自体は5~15分程で終わります。

手術後は経過を見るために、しばらく部屋で安静にします。
その後、血圧など患者の状態をチェックします。
問題がなければ薬が処方され、そのまま帰宅します。

麻酔から覚める時間を計算すると所要時間は4~5時間ほどになります。

・手術後
翌日からの仕事を許可する病院ありますが、出血もありますので数日は安静にしましょう。この期間に無理をすると、感染症にかかりってしまう場合があります。その後、手術後の経過を見るため必ず受診しましょう。

妊娠初期の中絶手術は、静脈麻酔という麻酔を点滴で入れます。入れてから、数分~数十秒程度で意識を失います。
麻酔から覚めるまで個人差はありますが、大体1~2時間ほどです。
その後異常がなければほとんどの方が、日帰りで帰ることが出来ます。

妊娠中期の中絶手術の麻酔は?

妊娠中期(約12週~21週)の中絶手術は、麻酔を使いません。
胎児が大きくなっているため、陣痛促進剤を使い、ほぼ自然の分娩に近い形で胎児を取り出します。

妊娠中期の手術の流れはこうです。

・手術前日
子宮口を広げる為、ラミセルという器具を挿入します。初めは5~8本、数時間後に10~15本と少しずつ本数を増やします。こうして胎児が出てくる広さになるまで繰り返します。

・手術当日
前日に挿入した器具を抜きます。
そして子宮頸管を広げる処置を行います。
その後陣痛を起こすため、陣痛誘発剤を投与します。通常の出産よりも急激に陣痛が始まることがほとんどです

陣痛間隔が数分おきになったら分娩台へ行きます。
そして胎児を取り出す処置を行います。その後、胎盤などが子宮内に残っている場合は掻き出します。
手術が終わった後は、安静が必要なので3日間程入院します。

・退院後
2~3日は安静にしましょう。
感染症にかかりやすくなっていますので、処方された薬はしっかり飲みましょう。
中絶手術後、出血が約1ヶ月続くこともあります。ナプキンをこまめに取り替える必要があります。
そのあと、手術の経過を見るため、医師の診察を受けます。

無痛人工中絶手術という方法も

妊娠中期の中絶手術は、通常の分娩と同じ流れで行う為、大きな痛みを伴います。
また精神的にも大きな負担となります。
その為、病院によって妊娠中期の中絶手術でも「無痛中絶手術」を行っている所があります。
手術前の処置のやり方を変えたり、麻酔の種類を変えたりします。この無痛法により、痛みによる負担がかなり減るとされています。
詳細は病院によって異なるので、担当医に相談してみましょう。

中絶手術に使われる麻酔の種類は?

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妊娠初期の中絶手術で使われる麻酔は静脈麻酔です。
点滴に麻酔を入れるので、気づいた時には意識を失っており、負担は少なくなっています。
ですが麻酔には体質によってアレルギー反応を起こす方もいます。
また麻酔の効き具合は体質によって左右されます。量を多くすれば必ず無痛になるというわけではなく、危険が大きくなります。

ですので、中絶手術を受ける際は、出来るだけ専門の麻酔科医がいる病院を選ぶと安心です。そうすれば、個人の体質にあった麻酔を使用することができます。

産婦人科の中には、麻酔の専門知識がない医師のみの場所もあります。そういった病院で中絶手術を受ける場合、弱めの麻酔しか使用出来ません。
すると、手術中に麻酔が切れたり、体質によって麻酔が聞かない場合がでてきます。

麻酔の種類や量にこだわっている病院や、麻酔科の経験がいる病院ですと、身体へのダメージが少ない手術を受けることができます。

妊娠の周期によって麻酔時間は変わるの?

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では妊娠の周期によって、麻酔の時間は変わるのでしょうか?
結論から言うと、個人差があるので一概には言えません。

麻酔がかかりやすい体質の人もいれば、かかりにくい人もいます。
かかりやすい人ですと、手術後目がさめるのに時間がかかりますし、かかりにくい人ですと、最悪手術中に目がさめてしまうかもしれません。目安ですと、妊娠初期の手術を受けた方は、手術後1~2時間で目がさめる方が多いようです。
上記で述べたように、麻酔の専門医がある病院を受診した方が安心でしょう。

中絶手術の麻酔の種類まとめ

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妊娠初期の中絶手術には全身麻酔が使われ、中期の手術では使われません。
ですが、病院によっては中期の中絶手術でも、麻酔を使って処置してくれる所もあります。
また麻酔は体質によって、種類や量が変わる大変繊細なものです。
出来るだけ、麻酔の専門医のいる病院で手術を受けましょう。