妊娠中期の中絶は母体にリスクがある?どんなリスクがある?

妊娠中期における中絶はリスクが高く、中絶をしていく際の母体に対しての負担も大きくなります。ここでは、そのリスクについて紹介します。

リスクを軽く見ている医師や専門家というのは少なからずいます。間違えてそのような医師のもと手術を受けてしまうと、致命的な状態になってしまうこともあるので大変大きな注意が必要です。

中絶の手術で考えられるリスク

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中絶をしていく時の、リスクとして考えられるのは主に以下になります。

子宮内感染
子宮穿孔
子宮頚管裂傷
子宮破裂
多量出血

以上のリスクは、初期の中絶でも見られることがありますが、中期の中絶のほうがずっとリスクは大きくなります。
子宮内感染や子宮穿孔は初期の中絶でも比較的見られる症状ですが、それ以外は中期によく見られる症状、状態となります。

子宮内感染

通常の状態で感染症になるには、不衛生な状態で性交渉をしたりすることで細菌が子宮の中に入り込んでいく必要があります。しっかりと清潔にしていれば基本的にリスクは低いです。
しかし、中絶をしている場合母体への負担の大きさから体力が低下していたり、子宮頚管が広がっていて細菌が入りやすくなっているなど、感染症になりやすい状況が作られます。それゆえにリスクが大きくなってしまうのです。子宮内膜炎などはその代表的な症状であり、不正出血や、激しい痛みなどが見られることもありますが、自覚症状が見られないまま進行してしまうこともあるので注意深く観察していくことが必要です。

子宮穿孔

主に初期中絶でのリスクとなります。子宮の中に機具を入れていく際に、子宮に孔を開けてしまうことでこの症状となります。孔が小さければ良いのですが、大きい場合本格的な手術が必要となるので、場合によっては中期中絶と同様の負担が母体にかかっていくことがあります。手術後に大量出血が見られる場合には注意が必要となります。

子宮頚管裂傷

子宮頚管裂傷は通常の出産でも起こりえるリスクとなります。中期中絶は通常の分娩と同じ様に行なっていくことが多いため当然このリスクも大きくなります。人工的に行なう分娩となるため、急激に分娩が進み子宮頚管裂傷が発生してしまうことがあります。
子宮頚管裂傷というのは、至急の出入り口部分が切れる症状であり、大きな傷になったり、動脈などを伴って裂傷を引き起こしてしまうと大量出血につながり、非常に危険な状態に陥ってしまうこともあります。
大量出血を引き起こしてしまった場合には迅速な対処が必要であり、一時を争う状況になることも多いです。このような状況になってしまった場合でも対処できるよう、中期の中絶というのは入院を必要とします。

子宮破裂

人工中絶によって急激な分娩をしようとする場合、陣痛が非常に強くなるなどの症状を伴いながら子宮破裂の症状を呈していくことがあります。
子宮破裂というのは文字通り、子宮が破れてしまう症状を意味し、数パーセントの確率で母体も死に至ることがある大変危険な症状です。
陣痛が強過ぎる場合には大きな注意が必要であり、確実な医師等の診察、判断、対処が求められます。
外傷等で子宮に傷がついてしまっている場合、子宮破裂が起こりやすくなります。子宮破裂は高確率で胎児は死亡してしまいます。
中期中絶であるため、胎児の命は失われることになりますが、母体の命を失ってしまうことがないよう、腹部の激痛、脈拍の上昇などに注意が必要です。中期中絶で入院をしていない場合迅速な対処が難しくなります。入院は必須です。

大量出血

中絶の場合、さまざまな原因で大量出血につながるリスクがあります。手術中にできる傷、子宮が破裂することによる傷、生理不順などによる出血など原因は多くあります。大量出血は非常に危険な信号と受け取っておく必要があり、無視をしてはいけません。
大量出血も早期に対処をすることができれば、致命的な状態に陥ることを防ぐことはできます。逆に放置してしまえば、命を落とす可能性が出血時間に比例して大きくなります。出血が多少多いという場合でも注意をしておき、定期的に診察を受けることが必要です。

不妊症につながる可能性もある

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子宮腔内癒着症とも言い、子宮の中で炎症が起こっていきます。細胞同士が癒着し、月経が正常どおり起こらなくなります。
中絶を何回も繰り返すとこの状況に陥りやすくなり、この状況は不妊症につながるため、このような視点からも、中絶を繰り返すことは決して勧められることではありません。

まとめ

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中期中絶による母体へのリスクは、命の危険性を持ってくることをしっかり自覚することが大切です。
大量出血が見られた場合は危険信号と判断し、激痛を伴うような場合には死が身近に迫ってきていると判断し、迅速に対処をしていく必要があります。決して楽観的に考えるべきではありません。