妊娠初期の中絶手術は後遺症が残るの?

妊娠初期に中絶手術をすることは比較的母体への影響が少なく、望まれない妊娠などによって中絶をする際は、5週目~12週目までの妊娠初期に中絶手術することが良いとされています。

現在では技術が確立されており、後遺症のリスクは少ないと言われていますが、それでも様々なリスクは伴うので、後遺症や中絶手術のリスクについてお話していきます。

全身麻酔のリスク

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中絶手術は全身麻酔をすることが多いのですが、お母さんの体質やアレルギーによって呼吸が一時的に止まるというようなリスクが考えられなくもありません。

ただしこれらは中絶手術のときだけではなく、一般的な手術の時にも当てはまるリスクです。

中絶手術は病院に行って、すぐにできるものではなく、検診を受けてから行われるので、この時に自分の体質をしっかり伝えたり、過去に薬を飲んで副作用が出た場合はそれらをしっかりと伝えたり、アレルギーなどを持っている場合も、それらについてしっかりと伝えるようにしましょう。

子宮内が傷つくリスク

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妊娠初期の中絶手術は胎児を掻きだす方法か、吸引する方法の2種類なのですが、いずれの場合も、子宮内を傷つけてしまうリスクはあります。

多少の傷であれば問題ありませんが、ごくまれにその傷から感染症にかかる場合もあります。

また非常にまれなケースですが子宮に穴が開いてしまう場合もあります。

(これは非常にまれなケースです。)

よってしっかりとした腕を持った医師がいる病院で手術をするようにしましょう。

子宮内に遺物がのこるリスク

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子宮内に胎児の一部が残ってしまうという場合もあります。

長期的に出血が続く場合などは医師に相談をしてみましょう

遺物が残っている場合、衛生的によくないことなので、発覚した場合は速やかに処置をすることが重要です。

中絶手術による後遺症について

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手術後に妊娠はできるの?

中絶を考えている女性にとって多い悩みは再度妊娠できるのかということでしょう。

・今は事情により産めないが将来的には子どもを産みたい
・でも中絶手術をすると妊娠できない体になるのでは?
・中絶手術をすると妊娠しづらい体になるのでは?

というような悩みが多いと思います。

しかし一般的には中絶手術をしても、中絶手術をしたことが妊娠できるかどうかに影響を与えることはないのです。

そのあたりは安心して手術を受けられるのが良いでしょう。

不妊症になるケースも

ただし、先ほど説明した子宮内にできた傷口から感染症にかかったりすることによって、不妊症になる可能性も考えられなくはありません。

中絶手術後に薬を渡されるので、しっかりと服用して感染症を防ぎましょう。

またこれらの感染症は中絶手術だけが原因ではありません。

性病なども不妊症の原因にもなるので、妊娠を望まない性交渉などをする場合はコンドームなどの避妊具をつけるなどして、性病への感染を未然に防ぐようにしましょう。

何度も中絶した場合の後遺症

また何度も中絶手術をした場合、子宮内の膜が薄くなることがあるので、妊娠しづらくなる場合があります。(受精後着床しづらくなる)

中絶という選択肢は望まない妊娠の場合に悪い選択肢ではありませんが、何度も中絶をすることがないように、しっかりと計画性を持つのが重要です。

中絶後後遺症候群(PAS)もある

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説明したように妊娠初期の場合は、中期の中絶などに比べれば非常にリスクが少ないですが、中絶手術による後遺症やリスクは0ではありません。

ですがこれらの身体的な後遺症やリスクと同時に、精神的な後遺症にも気を付けなければなりません。

このように中絶後の精神的な後遺症を中絶後後遺症候群(PAS)と呼びます。

抑圧

中絶したことことがトラウマとなると、そのトラウマを避けるために、以下のような行動を取る場合があります。

・こどもが嫌いになる
・妊娠している人が嫌いになる
・中絶に関わった人や相談した人と距離を置く
・お酒やたばこ、薬物などへの依存

侵害行為

中絶手術や中絶した子どものことふいに思い出したり、手術当日のことをフラッシュバックしたりします。

過剰反応

感情の波が激しくなったり、攻撃的な性格になってしまったりするような場合です。

中絶後後遺症候群(PAS)にならないために

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中絶をどのように捉えるのかは自身の考えによって異なりますが、サポートしてくれた夫、相談にのってくれた医師などにも大きく影響します。

また手術後に精神的に少し不安定だと感じたら、迷わずにカウンセラーに相談するなども重要です。

特に周りの反対を押し切って中絶した場合、夫婦で中絶に関する意見が異なっていた場合など、お母さんが孤立してしまうような立場であればあるほど危険です。

中絶自体は悪い選択肢ではないのです。

両親、親戚、友人、医師、そしてパートナーとしっかりと話し合い、そして中絶後もしっかりとコミュニケーションをとり、中絶後後遺症候群(PAS)にならないようにしていきましょう。